走るという動作は、ただ足を動かすだけではなく、全身の重心移動を伴う動きです。特に短距離走や競技スポーツにおいて、適切な体重移動ができるかどうかは、スピードや効率に大きな影響を与えます。では、「走る体重移動の本質」とは何か? 本記事では、速く走るための体重移動の仕組みと、それを鍛えるためのトレーニング方法について詳しく解説します。
1. 走る動作における体重移動の基本
走る際の体重移動は、前方への重心移動と左右のバランス調整の2つがポイントになります。
● 体重移動とは何か?
体重移動とは、「体の重心を適切にコントロールしながら動くこと」を指します。走る動作においては、重心がスムーズに前方へ移動することで、速く効率的に進むことができます。逆に、重心がブレたり、後方に残ったりすると、ブレーキ動作が生まれ、スピードが落ちてしまいます。
● 速いランナーの体重移動の特徴
速いランナーは、以下のような特徴を持っています。
1. 重心が常に前方にある
• 走る際に、上半身がわずかに前傾し、重心が前に乗っている。
2. 着地時に体重がスムーズに前方へ移動する
• 地面を押したときに、体がブレーキをかけず、スムーズに前へ進んでいる。
3. 左右のブレが少ない
• 無駄な横揺れがなく、上下動も少なく、前方への力がロスなく伝わる。
このような体重移動を意識することで、スピードの向上や、効率の良い走りが可能になります。
2. 体重移動がうまくできない原因
多くの人が速く走れない原因の一つに、適切な体重移動ができていないことが挙げられます。以下のような点に当てはまる場合は、体重移動が上手くできていない可能性があります。
● 1. 上半身が起きている(重心が後ろに残る)
特に小学生や初心者に多いのが、走る際に上半身が起きすぎていることです。これにより、重心が後ろに残り、前へ進む力が弱くなります。
改善策:
• 軽く前傾する姿勢を意識する
• スタートダッシュで、体を倒しながら加速する練習をする
● 2. 足の着地位置が悪い
かかと着地や、体よりも前に足を出してしまうと、ブレーキがかかってしまいます。適切な体重移動を行うためには、足を体の重心の真下で着地させることが重要です。
改善策:
• ミッドフット(足の中央)で着地する意識を持つ
• バウンディング(連続ジャンプ)の練習を取り入れる
● 3. 地面を強く蹴りすぎる
速く走ろうとするあまり、後ろに強く蹴りすぎると、逆に重心が後方に残ってしまい、スムーズな体重移動ができません。大事なのは、地面を押して進むイメージです。
改善策:
• 接地時間を短くするドリル(マーカー走など)を行う
• 地面を押す感覚を養うための坂ダッシュを取り入れる
3. 体重移動をスムーズにするためのトレーニング
では、適切な体重移動を身につけるためには、どのようなトレーニングをすればよいのでしょうか?
● 1. 前傾姿勢を作る「フォールングドリル」
やり方:
1. 直立した状態で立ち、体をまっすぐのまま前に倒していく
2. 倒れそうになったら、片足を自然に出す
3. この姿勢を意識したまま軽く走る
ポイント:
• 体を折り曲げず、全体を前傾させる
• 倒れる力を使って走る感覚を身につける
● 2. 「ミッドフット着地」の感覚をつかむトレーニング
やり方:
1. その場で軽くジャンプし、自然に着地する
2. 着地した位置で足裏のどこに体重が乗っているか確認
3. その感覚のまま、スキップや軽いランニングをする
ポイント:
• かかとから着地しないように意識する
• 体の真下で着地する感覚をつかむ
● 3. 「坂道ダッシュ」で重心を前に乗せる練習
坂道では自然と前傾姿勢になり、適切な体重移動を学ぶのに最適です。
やり方:
1. 緩やかな坂道を20~30mダッシュする
2. 地面を強く蹴らず、体を前に倒して進む意識を持つ
3. 3~5本繰り返す
ポイント:
• 無理に速く走ろうとせず、前方へ進む感覚を大切にする
• フォームを意識しながら行う
4. まとめ:走る体重移動の本質とは?
走る際の体重移動の本質は、**「重心を前に移動させながら、スムーズに進むこと」**です。
速く走るために意識すべきこと
✅ 重心を前方に乗せる(適度な前傾姿勢)
✅ 足の着地位置を体の真下にする
✅ 無駄な上下動や左右のブレをなくす
✅ 地面を蹴るのではなく押す感覚を身につける
これらのポイントを意識しながらトレーニングを行うことで、スピードが向上し、効率の良い走りができるようになります。
体重移動を意識して走りのフォームを改善し、最速の走りを手に入れましょう!
大阪と京都で足を速くするかけっこ教室や走り方教室ならMORIトレ
Comments