ドタバ走りは、速く走れる?走れない?どっち?そしてそれはなぜ?
- 森 雅昭(スポーツ家庭教師/かけっこ走り方教室/体操教室枚方市)
- 4月7日
- 読了時間: 5分
運動会やかけっこの練習をしていると、よく見かける「ドタバタ走り」。本人は一生懸命走っているのに、なぜかスピードが出ない…。そして周りからは「走り方がドタバタしてるね」と言われてしまう。では、そもそも「ドタバ走り」とはどんな走り方なのか?速く走れるのか?それとも走れないのか?今回はその理由をしっかりと解説していきます。
1. ドタバ走りとは?
ドタバ走りとは、足音が大きく、地面を叩くようにして走るフォームのことです。特徴的な動きとしては、
• 足の接地音が「ドタドタ」と大きい
• 足を高く上げず、膝の動きが少ない
• 上半身が左右に揺れて安定していない
• 歩幅が狭く、足の回転も速くない
• 着地のときにかかとや足裏全体でドンと踏んでいる
というような動きが見られます。
このような走り方は、力強く見える反面、効率的ではなく、エネルギーを多く使ってしまうという欠点があります。
2. ドタバ走りで速く走れるのか?
結論から言うと、「ドタバ走りでは速く走れません」。
速く走るためには、「地面を効率よく押す力」と「体を前に進める推進力」が必要です。しかし、ドタバ走りではこの両方がうまく機能していません。
理由1:エネルギーのロスが大きい
足音が大きい=着地の衝撃が大きいということ。これにより、上下動が増えてしまい、前に進むエネルギーが垂直方向に逃げてしまいます。本来なら体を前に進めるべき力が、地面に吸収されてしまい、スピードが落ちてしまうのです。
理由2:リズムが悪くテンポが遅い
ドタバ走りは重たい動きになりやすく、足の回転も遅くなります。速く走る人ほど、接地時間(地面に足がついている時間)が短く、テンポの速いリズムで走っています。しかしドタバ走りでは、足が地面に接地する時間が長く、ブレーキをかけるような走り方になってしまいます。
理由3:体のバランスが崩れている
ドタバ走りでは、腕の振りや上半身の姿勢も安定しないことが多く、無駄な動きが増えてしまいます。特に、左右に体がブレると、進行方向とは違う方向に力が逃げてしまうため、スピードが出ません。さらに、姿勢が前かがみになってしまうと、脚の可動域も狭くなり、足が前に出なくなります。
3. ドタバ走りになってしまう原因
では、なぜ子どもや初心者にドタバ走りが多いのでしょうか?それには以下のような原因があります。
原因1:筋力と体幹の未発達
走る動きには、脚の筋力だけでなく、体幹(お腹や背中まわりの筋肉)の安定性が必要です。体幹が弱いと、上半身がブレてしまい、安定した走りができなくなります。その結果、足の着地も乱れて「ドタドタ」と音がするようになります。
原因2:正しいフォームを知らない
多くの子どもは「足を速く動かせば速くなる」と思っています。しかし、正しくは「効率よく地面を押す」ことが大事です。フォームの意識がないままがむしゃらに走ってしまうと、足の動きが乱れてドタバ走りになってしまうのです。
原因3:シューズのサイズが合っていない
意外と多いのが「靴のサイズや重さが合っていない」パターンです。靴が大きすぎたり、重すぎたりすると、足の動きが制限され、ドタドタとした接地になってしまいます。走るときには軽くてフィット感のあるシューズを選ぶことが大切です。
4. ドタバ走りを改善するためには?
ドタバ走りを速い走りに変えるためには、「フォームの見直し」「筋力・体幹の強化」「リズム感の習得」がポイントになります。
ステップ1:姿勢を正す
まずは基本の姿勢を整えること。立っているときに「頭・肩・腰・かかと」が一直線になるよう意識します。走っているときも、背筋をまっすぐに保つことが重要です。
ステップ2:つま先で軽く接地する練習
ドタバ走りは足裏全体やかかとで重く接地していることが多いため、「つま先で軽く地面をタッチする」感覚を身につけましょう。ジャンプやスキップのような軽快な動きで、接地を短く、素早くする練習が効果的です。
ステップ3:体幹トレーニング
プランクやバランスボールなどで体幹を鍛えることで、上半身の安定感が増し、無駄な動きが減ります。結果として走りのフォームも安定し、ドタバになりにくくなります。
ステップ4:リズム練習
メトロノームや音楽に合わせてスキップやランニングを行うと、足の動きをテンポよくする感覚が身につきます。速く走るためにはテンポの良さが不可欠なので、リズム感を養う練習も取り入れましょう。
5. まとめ:ドタバ走りは改善できる!
ドタバ走りは「がんばっているけど速くならない走り方」の代表例です。足音が大きく、重たく見えるこの走り方では、どうしてもスピードが出にくくなってしまいます。しかし、それは「走り方を知らないだけ」であって、正しく練習すれば必ず改善できます。
速く走るためには、
• 軽くて静かな接地
• テンポの良いリズム
• 姿勢の安定
• 筋力と体幹のバランス
これらを意識することで、ドタバ走りから卒業し、スムーズで速い走り方に変わることができます。
ぜひお子さんやご自身の走りをチェックして、「足音が大きくないか?」「体がブレていないか?」を確認してみてください。そして、正しいフォームを身につけ、ドタバ走りから抜け出して、運動会やスポーツで1番を目指しましょう!
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